2017.06.27
妊娠中の歯科との関わり方☆
妊娠した時の歯科医院との関わり方って??
今日はそのお話です!
①妊娠すると歯が悪くなりがち?
「妊娠中は歯が悪くなりやすい」そういう話しを聞かれた事はないですか?
またはご自身の経験から、そう感じられた方もいらっしゃるかもしれないですね。
その理由としては・・・
⑴ホルモンのバランスで唾液が粘り食べかすが残りやすいから。
⑵ 唾液が酸性に傾き、口の中の細菌が増えやすいから。
⑶妊娠初期にはつわりによって胃酸が逆流し、口の中の酸性度がさらに高まり、歯が溶
けやすい環境を作るから。
⑷妊娠中期〜後期には、胎児が大きくなると胃が圧迫されて1回に食べられる量が少な
くなって、その結果食事や間食の回数が多くなり、結果として口の中が不衛生になりが
ちになるから。
⑸ つわりがひどいと歯ブラシを口に入れるのもいやになって歯みがき時間が短くなりがちになるから
⑹酸っぱいものを食べたくなるのでお口の中が酸性に傾くから
⑺妊娠中は女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロンなど)の分泌が約7倍盛んになって、このホルモンを好む細菌が増えることにより、歯肉炎になりやすくなるから。これを「妊娠性歯肉炎」とも呼びます。
ではでは、悪くなりがちなお口をどうケアしていけばいいのでしょうか??
② 妊娠中のお口のケアの仕方
⑴歯みがきの仕方を気をつけましょう!
→体調のいい時間帯に歯みがきをする。
→奥から前に向かって磨く(奥に向かって磨くと吐き気を催すこともあるため)
→歯ブラシを口に入れられない場合は、ぶくぶくうがいするだけでも効果的です。
→つわりの時は磨き残しが増えるのでフロスを使う
→味の強い歯磨き粉を使用しない
⑵安定期に入ったら歯科で歯石取りや、ブラッシングの指導を受けましょう。
⑶異常があったら時期を選んで治療していきましょう
→妊婦さんが歯周病だと低体重児や早産のリスクが高まるそうです(健康な人の約5倍も高いというデータがあります(><))
→痛みに我慢している方がお子様への影響が出る事もあります。
では妊娠中のどの時期に歯医者にかかればいいのでしょうか??
③妊娠中に歯科治療が行える時期は?
→原則的にはどの時期でも行う事は出来ますが、妊娠期により注意点が異なります。
☆妊娠初期(1〜4ヶ月)
つわりが出やすく流産の可能性もあるので、過度の緊張や長時間に渡る治療はなるべく避けた方がいいです。
痛みがひどい場合は医師と相談のうえ、応急処置程度に留めておいて、安定期に入ってから再開しましょう。
☆妊娠中期(5ヶ月〜8ヶ月)
母体も胎児も安定し、妊娠中治療に最も適した時期です。
ほとんどの治療が問題なく受けられますが、親知らずの抜歯やインプラント治療などの外科処置は避けた方がいいでしょう。
☆妊娠後期(9ヶ月〜)
治療の体勢が苦しくなり、早産のリスクを伴うので、応急処置や予防に留めておくのがいいでしょう。
動脈管がつぶれて酸欠などが起こる場合もあるので。水平位をずっと保たないように歯医者側も気をつけていきますね。
④レントゲン撮影してもいい?
歯科で行われるレントゲン撮影は口に向けて当てているし、防護エプロンを首からかけて撮影するので胎児への影響はほぼないとされています。
→ちなみに当院の放射線量は0.02マイクロシーベルト(飛行機に乗っている時に受ける量の1/10)です。
⑤麻酔治療は大丈夫?
→歯科治療で使われるのは局所麻酔なので、胎児への影響がほとんどなく、使われる量も母体や胎児に悪影響を及ぼすものではないですよ。
ただし、注射の痛みが怖い方、以前麻酔でアレルギー反応が出たり気分が悪くなったりした方は、どんな軽症であっても必ず事前に相談してくださいね!
⑥投薬について
基本的に投薬治療は避けた方がいいですが、痛みが激しいなど投薬しない事で悪影響を及ぼしかねない時には必要最低限の抗生剤や鎮痛剤を処方します。
■抗生剤・・一般にセフェム系の抗生剤は短期間の服用であれば、妊娠中の全期間にわ
たり危険性が少ないとされています。当院ではフロモックスを処方しています。
■鎮痛剤・・カロナールが一番安全性が高い薬とされており、当院でも処方しています。
出産後はなかなか歯医者に通いづらくなってしまうと思うので、妊娠中でも時期を選んで
お口のケアをしっかり行っていきましょうね!
わからないことがあれば何でも質問してくださいね。
2017.06.22
高血圧と歯ぐき
今回は「高血圧と歯ぐき」についてお話しします。
最近は生活習慣病の中に、高血圧も含まれていますが、
そもそも高血圧の場合の、お口の中の状態はどのような状態かを見てみます!
最近は高血圧の治療の為に、血圧を下げるためにお薬を服用される方がいらしゃいます。
高血圧の薬の副作用の一つに「歯肉増殖」や「口腔乾燥」などがあります。
特に下の前歯付近に、歯肉増殖症(歯ぐきが腫れた状態)を認める事があります。
歯肉増殖症とは・・?
歯ぐきがモコモコと腫れてしまう状態の事を言い、現れる確率は10%〜20%といわれています。
ほとんどは見る事はないのですが、時々「歯ぐきがモコモコしている」といわれる患者様がいらっしゃいます。
歯ぐきがモコモコとしている状態なので、歯ぐきの溝にプラークが残りやすくなり、
歯周病を進行させてしまいます。
一番大切なのは、「適切な歯ブラシの当て方」や、
「歯ぐきの上や歯ぐきの下に付いているのプラークや歯石などを取り除く」事などが必要になってくると思います。
また、高血圧のお薬の副作用などによる口腔乾燥があれば、頻繁にうがいをするなど、
お口の中の環境も整えていく事も大切な事です。
そして、歯科治療を受ける場合において問題にあげられるのが、麻酔と抜歯と言われています。
麻酔薬の中に は血管収縮剤という成分が含まれており、これにより血圧が上昇します。
ですが・・・・
処方された薬で血圧がコントロールされている場合は心配はありません!!!
また、抜歯の後、出血がなかなか止まらない可能性もあります。
血圧が高いと出血する圧力も高いため、抜歯のストレスなどによってさらに血圧が上昇し、
出血量が多くなることがあります。
お薬を飲まれている方などは、治療されている病院に今の状態などを知る為に
お手紙を書かせて頂く場合があります。
気になる事などありましたら、お気軽にご相談してみて下さいね☆
2017.06.06
抗生物質について
今回の豆ブログは、抗生物質についてお話します。
抗生物質を飲んだことありますか?
当院に治療で通われている方には、飲んだことがある方もいるかと思います。
では、抗生物質はどんな薬でしょうか?
抗生物質は、「細菌感染症」に効果がある薬です。
病気の原因になるばい菌を殺したり、減らしたりします。
どんなふうに、効くかというと、
①薬を飲みます
②内臓に吸収されます
③薬の成分が血管の中に入ります
④血の流れを通して病気の部分に届きます
⑤出された分の薬を飲みきるころに、効果がある濃度になります
というように、時間をかけて効果が出てきます。
歯の治療を進めていくときには、例えば、ばい菌を減らしてから治療することで、より効果がある治療ができたり、歯を抜くときに傷口からばい菌が入っても増えにくいように予防として処方されたりします。
つまり、原因そのものを取り除く薬ではなく、治療の助けになるもの、として使われています。
飲むときにはどんなことに気を付けたらいいでしょうか?
①用法、用量、期間を守りましょう
抗生物質は、体重や炎症の範囲もふまえて、1日○回○日飲んでもらうかを決めています。
少ない量を飲んだり、多く飲みすぎたり、途中でやめたりすると、効果がでなかったり、強く効きすぎて副作用が出てしまうことがあります。
②牛乳と一緒に飲まないようにしましょう
抗生物質の種類によっては、効果が弱くなってしまうことがあります。
③アルコールと一緒に飲まないようにしましょう
薬の効果が強くなってしまいます。
副作用はありますか?
当院では、比較的副作用が少ない、と言われている抗生物質を処方していますが、薬が合わなければ、副作用が出てしまうこともあります。
顔が腫れたり、肌が赤くなったり、吐き気が出たり、下痢をしたり、息苦しくなったりすることがあります。
薬を飲んで、アレルギーのような症状が出たら、飲むのをやめるようにしてくださいね。
また、別の病院で出されたお薬を飲んでいる方は、飲み合わせなどもありますので、お薬手帳をお持ちください。
今日は、抗生物質についてでした。
よくわからないことや、気になることは、スタッフまでお声掛けくださいね。