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2020.03.08

【インプラントGBRセミナー参加 in大阪】

【インプラントGBRセミナー参加 in大阪】

皆さんこんにちは.

広島県福山市で開業しています,はやし歯科クリニックの林です.

先週の祝日のお休みを利用して大阪にインプラントのGBRセミナーに参加してきました.

歯科医師にとってはインプラント治療を行う上でGBRという手技は必須です.

私自身もインプラント治療を行う際に,8割以上の症例においてGBRを併用しています.

そこで今回のブログは,以下の項目で書きたいと思います.

1.当院のホームページのブログやSNSを閲覧して下さっている患者様に向けてGBRとはどんな手技なのか.

2.私自身の復習の意味でもセミナーで学んだことや気付き.

 

まずGBRというのは,Guided Bone Regenerationという英語の頭文字の略です.

インプラントを埋め込みたい骨の部分に必要なだけの骨が足りない場合に骨を作りインプラントを理想的なポジションで埋め込みたい時に併用する手技のことです.

簡単に言うと,骨がない場合に骨を作る.

インプラントは骨がないとできませんからね.

下の写真を比較して見て下さい.

 

左の写真の丸い穴はインプラントを埋め込むための穴を作っています.

その丸い穴の下の方が凹んでいるのがわかりますか?

左の写真は一見骨があるように見えますが,下の方に行くと段々と骨の厚みが薄くなっています.ですのでインプラントを埋め込んだ外側の骨に十分な厚みを持たせるためにGBRを行い骨を作った写真が右側の写真です.

外側に約4mmぐらい作り約4ヶ月です.

歯周病や根の病気などで抜歯になった場合に,骨が溶けてなくなっていることが多くあります.

そんな中でインプラント治療が難しい場合もありますが,GBRと言う骨を作ることによってインプラント治療が

可能になり,またそのインプラントを長持ちさせるために必要なテクニックなのです.

今回のGBRセミナーを参加しようと思ったきっかけは,小さくてもいいので何か発見がないかそんな思いで参加しました.

というのもGBRに関連したインプラント関係のセミナーは数多く参加しています.

教えて下さる講師の先生方の考え方によって,同じGBRでも多少手技が違ってきます.

でも毎回必ず何か発見があり明日からのインプラントオペにとても参考になります.

ですのでお休の日は積極的に学会や勉強会に参加しています.

今回のセミナーでもやはり基本が大事ということを再認識.

GBRの成功の条件として“PASSの原則”

(P) Primary  wound coversge

(A) Angiogenesis

(S) Space creation/maintenance

(S) Stability of wound and implants

 

遅延型吸収性コラーゲン膜の使用による広範囲の骨造成.

遅延型吸収性コラーゲン膜は生体内で6ヶ月以上吸収せずバリア機能が高く,クロスリンク構造を持ち,高い生体親和性を有し,創傷治癒の安定性にも優れている.

私は広範囲の骨造成においては,非吸収性メンブレンを使用することも多く,垂直的水平的にも5mm以上増大する場合に多く使用してきました.

非吸収性メンブレンは高いバリア機能を持ち,スペースメイキングが容易であるという利点はありますが,欠点として歯肉裂開による膜の露出や膜除去の必要性もあります.

これらの処置を得意とする歯科医師であっても非吸収性メンブレンは15%ぐらいの割合で膜の露出があるとの報告もあります.

一度膜が露出すると期待するだけの骨造成ができない場合があります.

そんな中で遅延型吸収性コラーゲン膜を使用し仮に裂開し膜が露出することがあっても.術後治癒における骨造成量は裂開がない場合とほぼ変わらず90%以上と高いデータがあり,早期に膜が露出しても創傷治癒をサポートする可能性があることは大変GBRにとって有利であると思いました.

 

その他にも吸収性膜を安定させスペースを維持するための工夫.

そして角化歯肉を喪失させない縫合テクニックなど大いに勉強になりました.

 

今後の診療に応用できるように頑張ります.

そして技術ももちろん大事ですが,インプラントを希望される患者様がより安心感を持って頂けるような説明を,そして安全な治療をこれからも努めていきます.