2020.02.17
正しい知識で院内感染対策をして患者様やスタッフを守ろう.
福山市 はやし歯科クリニック 院長の林です.
今テレビや新聞では新型コロナウイルスの話題で持ちきりですよね.
今回の院長ブログはそんな感染症について日曜日に大阪に勉強に行って来たので皆様にご報告させて頂きます.
感染症については医療従事者である私達は大学での講義や研修医,あるいは卒業してもどこかで必ず勉強はしています.
しかし実際の臨床の場では,その半分ももしかしたら守られていない可能性があります.
この読売新聞の記事では,虫歯などを削る時に使う機器の7割が使い回しという記事でした.
この新聞を読んだ患者様も当然驚かれたと思います.
逆に私達歯科医師にとっては現実的にそこまで強く反論ができないのも事実だったと思います.
歯を削る機器は1本5万から20万円ぐらいで売られています.
1日の来院人数が少ない歯科医院であれば数本持っていれば大丈夫でしょうが,患者様が多い歯科医院では,多くの本数を購入する必要があります.
ただし,実際にはその本数を確保したりあるいは,滅菌する機器を購入して万全な体制を整備している歯科医院は少ないのではないでしょうか?
なぜしっかりやらないのか?
患者様からするときちんと感染対策をするのは当たり前ではないかと思うと思いますが,
実際はしっかりやらなくても目に見える問題が起こっていないのでなんとかなってしまっているんだと思います.
当然ながら当院では,そのような歯を削る機器やそれ以外の器具に関しても専任のスタッフがしっかり管理をしてくれています.
そしてもちろん設備にも投資をしています.
医療廃棄物を引き取ってくれる業者の方がある時こう言っていました.
「先生の歯科医院では医療廃棄物の量がとても多いです.他の歯科医院の何倍もあります」と
ただ単にゴミの量が多いと思われるかもしれませんが,当院にとっては全然普通で,グローブを患者様ごとに変える.
唾液や血液がついた感染性のあるものはきちんと医療廃棄物として分別しているだけです.
ではなぜそんなに違うのか?
おそらく医療廃棄物として回収してもらうと一般ごみと比較して費用がとてもかかるんです.
結局,コストを抑えるために感染性のあるのものを一般的なものと区別をせず廃棄しているのではないか.
結局のところ,こう言った感染対策に関しては医療人である前に人としてのモラルが問題でないでしょうか?
今回受講した研修会では以下の項目を勉強しました.
1.ウィルス,最近、真菌の違い
2.ウィルスの増殖について
3.感染と感染症の違い 感染の成立 感染経路
4.ウインドーピリオドとユニバーサルプレコーション
5.スタンダードプレコーション
6.診療器具の感染管理カテゴリー分類について
7.ゾーニングとラッピング
などなど,正直,大学時代の講義のようでしたが,こう言った内容を勉強することはいつもではないからこそ,
現時点で当院がもっとこうした方がいいなと思えるヒントをもらえる場なのでとても勉強になりました.
今回の勉強を通して最低限やるべきこと
・ユニバーサルプリコーションの徹底
・手袋は万能ではない(ピンホール) 手洗いの励行
・感染性のあるものを触った手であちこち触らない
・ラッピングの活用
・ゾーニングを守る(感染区域と非感染区域)
・スタッフ全員の意識の統一
これらは最低限意識すべきことであり,当院に来て下さる患者様が不安にならないようにしっかり院内感染対策を今後もしっかりと
充実させていくと共に,感染症から患者様,スタッフをしっかり守れる歯科医院でありたいと思います.